高遠原:約束通り根岸ステークスの回顧を始めるよ。朝霧:根岸ステークス……。根岸さん?高遠原:違う、違う。根岸は人名じゃなくて地名。
今の神奈川県横浜市中区根岸台に横濱競馬場があったのを記念して創られたレース
だよ。朝霧:ふ~ん。高遠原:横濱競馬場は日本で最初の本格的な競馬場で、
後に天皇賞や皐月賞となるレースもこの競馬場で行われていたんだ。
言わば日本競馬の濫觴となった競馬場だね。朝霧:なら、横浜ステークスで良かったんじゃないの?高遠原:うん、まあ、そうなんだけど。
横濱競馬場のことを根岸競馬場とも言ってたようで、その呼び方の方が
馴染み深かったんじゃないかな。朝霧:東京競馬場を府中競馬場と言うような感じ?高遠原:まあ、そういうことだね。朝霧:ふ~ん。
レース名の由来が分かったところで、早速回顧をお願いします。高遠原:うん。じゃあ、まずはレースのラップタイムをチェックしよう。 12.2‐10.6‐11.3‐12.1‐12.1‐11.6‐12.2 1.22.1
高遠原:引き締まった良い流れだね。重馬場だったことを割り引いても、速い時計の決着だったと
評価できるよ。
それに、前半から速いタイムで流れいるにも関わらず、後半のタイムが急激に落ちている
訳でもない。まあ、だからこそこの速い時計なんだけど。朝霧:ラップタイム的には優秀だったってこと?高遠原:そうだね。朝霧:じゃあ、このレースで上位に来た馬は評価できるってことなんだね?高遠原:それをこれから見ていくよ。朝霧:うん。高遠原:1着はフェラーリピサ。
道中3番手から直線抜け出して、追い込んできた2着馬をクビ差凌いでの勝利。
この馬は評価して良いだろうね。速い流れを先行して、尚且つ、直線では追い出しを
待てる程の手応え。
最後の2ハロンのラップタイムは、ほぼこの馬のものになるんだけど、
それまでの流れを先行して、11.6秒、12.2秒でまとめたんだからすごいと思うよ。朝霧:フェブラリーステークスでも期待できるってこと?高遠原:1600mのユニコーンステークスで2着、1700mのエルムステークスで勝ってるから、
距離の不安は無いね。ただ、2走ボケの心配はある。朝霧:休み明け初戦で好走して、2走目で凡走っていうやつね。高遠原:そう、それ。実はこの馬、1回それをやらかしてるんだよ。朝霧:そうなんだ。高遠原:うん。2007年の師走ステークスに約6ヶ月振りに出走して2着と好走したんだけど、
その1ヶ月後に出走した門松ステークスでは4着と成績を落としたんだ。さらにその後、
平安ステークスに出走も7着とさらに成績を落として、去年のフェブラリーステークスには
結局出走できなかったんだよ。朝霧:へ~、そうだったんだ。本番で去年の鬱憤を晴らすことができるかどうか楽しみだね。高遠原:そうだね。陣営も気合が入ってると思うよ。朝霧:頑張って欲しいね。高遠原:続いて、2着は上がり3ハロン最速のタイムで追い込んできたヒシカツリーダー。
前半速い流れで展開向いたのは確かだけど、そんなにペースが落ちなかった最後の
2ハロンでグイグイ追い込んできたのを評価したいね。
この馬の上がり3ハロンのタイムは35.0秒。2番目に速かったのは4着アドマイヤスバルの35.5秒だから、この馬の末脚が如何に他馬と違ったかが分かると思う。ちなみにフェラーリピサのそれは35.6秒。朝霧:つまり、勝馬を0.6秒追い詰めたってことだね。高遠原:そういうことになるね。フェラーリピサが並の馬だったら、間違いなくヒシカツリーダーが
勝ってただろうね。朝霧:じゃあ、この馬も本番で期待できる?高遠原:うーん。判断に迷うところだね。
最近は1400m迄しか良績が無いけど、最後の脚を見る限りでは距離はもう1ハロン伸びても問題無いと思う。
ただ、GⅠで好走するにはやっぱり展開の助けが必要かな。朝霧:緩いペースになったら厳しいってこと?高遠原:そういうこと。
仮にハイペースになっても、今回と同じような最後まで締まった流れだと厳しいね。
ハイペースで尚且つ直線で逃げ・先行馬が完全に止まるような流れだと最後に飛んで来そうだけどね。朝霧:展開次第という訳ね。覚えておこうっと。高遠原:3着はセントラルコースト。
この馬はフェラーリピサのすぐ前で競馬して、直線で同馬に交わされた後も最後まで
追いすがったところに見所があったんだけど、残念ながらフェブラリーステークスには登録していない。朝霧:何で?高遠原:うーん。この馬このレースで9戦目なんだけど、うち8戦が1400m戦なんだ。
多分、距離に限界があると陣営は判断してるんだろうね。朝霧:そうなんだ。でも、何かもったいないね。せっかく前哨戦で良い競馬したのに。高遠原:登録してても賞金面で出走できなかった可能性は高かったけどね。朝霧:なぁんだ。それじゃ、仕方ないね。高遠原:さて、以上が根岸ステークスで気になった馬だね。朝霧:前哨戦の回顧も終わって、いよいよ今年も始まるんだね。高遠原:そう、いよいよだよ。俺の輝かしい競馬人生がここから始まるんだ!朝霧:……。あー、うん。そうだね、期待してるよ。
何せ、今まで全然輝いてなかったもんね。高遠原:…………。朝霧:今年は頑張るんだよ、師匠。高遠原:……はい、頑張らせて頂きます……。朝霧:あれ? 何でそんなにテンション低いの?
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