高遠原:という訳で、平安ステークスの回顧をしてみようか。朝霧:さりげなく始めたけど、あれから2週間経ってるよね。そもそも、「という訳で」って、どういう
訳よ。高遠原:GⅠのフェブラリーステークスでも好勝負できそうな馬がいるかどうかを探ってみるよ。朝霧:聞こえない振りしてる。高遠原:いひへえ~!朝霧:……。高遠原:何だよ! また思い切りつねってからに!朝霧:あれから2週間経った。高遠原:いや、悪いとは思ってるよ。思ってるけど、しょうがないだろ、色々と忙しいんだから。
大体、悠久の平安時代の長さに較べたら、2週間なんてほんの僅かな時間だよ。朝霧:何その言い訳!? いや、言い訳にすらなってないよ!! 平安ステークスだから平安時
代? 何、それ!?高遠原:そんなに怒るなよ。短気は損気って光源氏も言ってるだろ。朝霧:言ってない。光源氏はそんなこと言ってない。そもそも、実在した人物じゃないし。高遠原:まあまあ。いいから始めるよ。朝霧:……、何だか分からない言い草で押し切られたような……。高遠原:気にしない、気にしない。
じゃ、早速レースのラップタイムを見てみよう。 12.3‐11.2‐12.4‐12.8‐13.0‐12.7‐12.5‐11.7‐11.8 1.50.4
高遠原:道中ペースが緩んで、上がり2ハロンの瞬発力勝負になってるのが分かるね。朝霧:確かに中盤の3ハロンはペースが遅いね。高遠原:いくらダートとは言え、重賞で13秒台のラップを刻んでるのはいただけないな。しかも
稍重の馬場だったにしては、走破タイムも物足りない。朝霧:え? 馬場が悪ければタイムは遅くなるんじゃないの?高遠原:芝のレースではね。ダートの場合は逆だよ。朝霧:何で?高遠原:ダートっていうのは、本来は土という意味だけど、日本の競馬はダートと言いつつも実は
砂なんだよ。朝霧:知ってるよ、そんなことぐらい。高遠原:なら、分かるだろ。雨が降って湿った砂の上を走るのとパサパサの砂の上を走るのと
どっちが速く走れるか。朝霧:あ、そっか。高遠原:納得した?朝霧:納得した。高遠原:もっとも、水分を大量に含んで水溜りができてるような不良馬場だと逆に遅くなるけどね。朝霧:ふ~ん。高遠原:で、ラップタイムから判断すれば、レースレベルは低いと言わざるを得ないだろうね。道中
1・2・3番手の馬が2・3・1着で、完全に前に行った馬同士での決着。ゆっくり走って
ラストスパートだけの勝負なら、当然前にいる馬が有利だろっていうだけのレースだね。朝霧:そんなに後ろにいた馬たちには不利な展開だったの?高遠原:レース映像を見てもらえば分かると思うけど、ペースが緩んだ所でも馬群は詰まってない
んだ。ヨーイドンでラストスパートした場合、前の馬と後ろの馬の距離が大きいほど前の
馬が有利になるだろ。朝霧:なるほど。でも、その不利を跳ね除けて追い込んできた馬もいるんじゃないの?高遠原:後ろにいた馬で直線の伸びがそれなりに目立ったのは、5着のタガノエクリプスと8着の
サンライズバッカス。この両馬の上がり3ハロンのタイムは35.9秒。だけど、勝った
ワンダースピードのそれは35.6秒なんだ。朝霧:追い詰めるどころか差を広げられたんだね。高遠原:そういうこと。つまり、上位に来た馬は展開に恵まれただけだし、後ろの馬は上位の馬を
追い詰めることすらできなかったということだよ。朝霧:う~ん。じゃあ、フェブラリーステークスで好勝負できそうな馬はいないってことになるのか
な?高遠原:そうなるね。朝霧:せっかく回顧したのに、何も収穫が無いのは残念だね。高遠原:良いじゃないか。これでフェブラリーステークスの予想の時に平安ステークス組をバッサ
リ切れるよ。朝霧:そっか、そうだよね。前向きに考えよう。高遠原:そうそう。朝霧:フェブラリーステークスももうすぐだね。いよいよ今年もGⅠが始まると思うと何だかワクワク
してくるよ。高遠原:うん。待ち遠しいね。でも、その前にもう一つの重要な前哨戦である根岸ステークスも
回顧しておきたいんだけどな。朝霧:間に合うの?高遠原:何とかするよ。朝霧:ほんとだよ。高遠原:うん。紫式部に誓って、頑張るよ。朝霧:私に誓ってよ!!
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