朝霧:勝利の女神ヴィクトリアは私たちを見放した。
高遠原:結衣ちゃんの日頃の行いが悪いからかなぁ。
朝霧:……。
高遠原:? 思い当たるフシでもあるの?
朝霧:ごめんなさ~い!!(泣)
高遠原:何? どうしたの?
朝霧:もうしません! だから許して下さい!!
高遠原:だから、何をしたの?
朝霧:こ、この前、雑誌の懸賞に応募しようと思って、アンケートハガキに50円切手を貼って下さいって書いてあったから、つい、会社の切手を貼って出しちゃったんです!! ほんの出来心だったんです!
高遠原:(何だ、そんなことか。)
朝霧:神様に誓ってそれ1回だけです! だから許して下さい、師匠!!
高遠原:俺に謝られても……。
朝霧:だって、だって他に誰に謝ればいいの?
高遠原:……。結衣ちゃん。
朝霧:はい。
高遠原:たとえ50円切手1枚とはいえ、会社の物を勝手に私用で使ったら、それは窃盗罪になる。
朝霧:窃盗罪!? 私、警察に捕まるの?
高遠原:いや、被害が50円なら、会社もそこまで問題にしないだろうし、警察も動かないよ。
朝霧:よかった。
高遠原:でも、悪いことであるのは間違いないからね。
朝霧:うん。
高遠原:だから今回は、50円切手を買って会社の保管場所に戻しておいたら?
朝霧:うん。そうします。
高遠原:じゃ、これで一件落着と。
ところで、懸賞って、何が欲しかったの?
朝霧:現金1万円。
高遠原:成程(結衣ちゃんらしいや)。
朝霧:お金の誘惑に負けたよ。
高遠原:お金の誘惑にはみんな負けそうになるよ。
朝霧:お金って怖いね。
高遠原:うん。僅かなお金をめぐって殺人事件が起きたりもするからね。
朝霧:お金のことを気にせず生きていけたらいいな。
高遠原:みんな心の奥ではそう願ってるんだけどね。
朝霧:現実そうもいかないもんね。
高遠原:そういうこと。
じゃ、そろそろ反省会始めようか。
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