まず人気通りには収まらない春のマイル王決定戦安田記念の近5年のレースを振り返ってみる。
2010年 良
12.0 - 10.7 - 10.9 - 11.3 - 11.4 - 11.3 - 11.7 - 12.4(33.6 - 22.7 - 35.4) 1.31.7
1着 ショウワモダン ⑪⑩⑧ 8番人気
2着 スーパーホーネット ⑮⑮⑮ 6番人気
3着 スマイルジャック ⑧⑩⑭ 5番人気
2011年 良
12.3 - 10.7 - 10.9 - 11.5 - 11.6 - 11.2 - 11.6 - 12.2(33.9 - 23.1 - 35.0) 1.32.0
1着 リアルインパクト ②③③ 9番人気
2着 ストロングリターン ⑩⑫⑪ 5番人気
3着 スマイルジャック ⑩⑭⑮ 3番人気
2012年 良
12.2 - 10.7 - 10.9 - 11.1 - 11.4 - 11.3 - 11.8 - 11.9(33.8 - 22.5 - 35.0) 1.31.3
1着 ストロングリターン ⑫⑬⑫ 2番人気
2着 グランプリボス ⑨⑪⑩ 13番人気
3着 コスモセンサー ②④④ 15番人気
2013年 良
12.0 - 10.7 - 11.2 - 11.4 - 11.7 - 11.5 - 11.3 - 11.7(33.9 - 23.1 - 34.5) 1.31.5
1着 ロードカナロア ⑨⑧⑧ 1番人気
2着 ショウナンマイティ ⑯⑮⑭ 3番人気
3着 ダノンシャーク ⑧⑪⑪ 12番人気
2014年 不良
12.3 - 11.1 - 11.7 - 12.0 - 12.0 - 11.8 - 12.1 - 13.8(35.1 - 24.0 - 37.7) 1.36.8
1着 ジャスタウェイ ⑪⑨⑪ 1番人気
2着 グランプリボス ⑩⑨⑨ 16番人気
3着 ショウナンマイティ ⑭⑬⑮ 10番人気
ここ2年は1番人気馬が勝利しているが、いずれもマイル戦を主戦場としてきた訳ではない馬だった。別路線の馬に1番人気を譲り、且つ勝たれてしまうのだから、マイル路線の低レベル化を主張されても仕方がない。ただ、昨年ジャスタウェイが勝ったのは、多分に不良馬場の恩恵もあっただろう。展開と併せて考えれば、中距離馬が勝ったのも頷ける。
決してマイル路線の馬たちが弱い訳ではないことは、この春のマイル王決定戦の展開を見ても窺い知れる。テンの3ハロンは33秒台、残り5ハロンは58秒前後で駆け抜けなければならない。息を入れる暇がない持続力勝負となる。従って、差し・追込馬の好走が多くなっている。
また、ヴィクトリアマイルと同じように過去の好走馬が突如激走する事も多い。
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創設以来毎年2桁人気馬が掲示板に載っているヴィクトリアマイルの近5年のレースを振り返ってみる。
2010年 良
12.2 - 10.6 - 11.0 - 11.7 - 12.0 - 11.6 - 11.3 - 12.0(33.8 - 23.7 - 34.9) 1.32.4
1着 ブエナビスタ ⑬⑬⑫
2着 ヒカルアマランサス ④④④
3着 ニシノブルームーン ⑨⑫⑬
2011年 良
12.0 - 10.6 - 10.9 - 11.1 - 11.3 - 11.6 - 12.0 - 12.4(33.5 - 22.4 - 36.0) 1.31.9
1着 アパパネ ⑨⑨⑪
2着 ブエナビスタ ⑮⑬⑬
3着 レディアルバローザ ②③③
2012年 良
12.2 - 10.9 - 11.3 - 12.0 - 11.8 - 11.5 - 11.2 - 11.5(34.4 - 23.8 - 34.2) 1.32.4
1着 ホエールキャプチャ ③③③
2着 ドナウブルー ②②②
3着 マルセリーナ ⑮⑬⑬
2013年 良
12.4 - 10.8 - 11.4 - 11.7 - 11.9 - 11.4 - 11.2 - 11.6(34.6 - 23.6 - 34.2) 1.32.4
1着 ヴィルシーナ ①②②
2着 ホエールキャプチャ ⑫⑩⑩
3着 マイネイサベル ④③②
2014年 良
12.4 - 10.7 - 11.6 - 11.5 - 11.8 - 11.4 - 11.2 - 11.7(34.7 - 23.3 - 34.3) 1.32.3
1着 ヴィルシーナ ①①①
2着 メイショウマンボ ④⑦⑦
3着 ストレイトガール ⑧⑨⑪
2011年こそ極端なハイペースとなったが、それ以外の年はラップタイムに上下動が少ない一貫したペースとなっている。馬群は一団となったまま直線に入ることが多いので、極端な後方からの追い込みでない限り位置取りはあまり気にしないで良い。前年の好走馬が翌年も好走する例が多く、その殆どが近走成績が良くなかったということも頭に入れておく必要がある。
荒れるイメージも強いが、1番人気が順当に勝っている年も多いNHKマイルカップの近5年のレースを振り返ってみる。
2010年 良
12.1 - 10.4 - 10.9 - 11.4 - 11.5 - 11.5 - 11.6 - 12.0(33.4 - 22.9 - 35.1) 1.31.4
1着 ダノンシャンティ ⑯⑯⑯
2着 ダイワバーバリアン ⑧⑦⑤
3着 リルダヴァル ⑩⑦⑧
2011年 良
11.9 - 10.7 - 11.3 - 11.8 - 11.9 - 11.3 - 11.4 - 11.9(33.9 - 23.7 - 34.6) 1.32.2
1着 グランプリボス ⑨⑥⑤
2着 コティリオン ⑱⑱⑯
3着 リアルインパクト ⑧⑨⑨
2012年 良
12.1 - 11.0 - 12.0 - 12.2 - 12.6 - 11.6 - 11.3 - 11.7(35.1 - 24.8 - 34.6) 1.34.5
1着 カレンブラックヒル ①①①
2着 アルフレード ⑤⑤④
3着 クラレント ⑫⑪⑩
2013年 良
12.3 - 10.8 - 11.3 - 11.7 - 11.7 - 11.3 - 11.6 - 12.0(34.4 - 23.4 - 34.9) 1.32.7
1着 マイネルホウオウ ⑮⑯⑭
2着 インパルスヒーロー ⑬⑫⑩
3着 フラムドグロワール ④③④
2014年 良
12.0 - 11.0 - 11.6 - 12.0 - 11.8 - 11.3 - 11.5 - 12.0(34.6 - 23.8 - 34.8) 1.33.2
1着 ミッキーアイル ①①①
2着 タガノブルグ ⑮⑬⑦
3着 キングズオブザサン ⑨⑬⑪
1番人気に推されるような逃げ馬が出てきた時は逃げ切り勝ちもあるが、基本的には差し、追込馬が活躍している。中団又は後方からしっかりと長く脚を使える馬を中心に考えたい。
1番人気がことごとく馬群に沈んだ天皇賞(春)の近5年のレースを振り返ってみる。
2010年 良
13.3 - 11.9 - 12.0 - 11.5 - 12.0 - 11.6 - 12.2 - 13.8 - 13.5 - 12.8 - 12.6 - 12.5 - 11.8 - 11.3 - 11.4 - 11.5(48.7 - 49.6 - 51.4 - 46.0) 3.15.7
1着 ジャガーメイル ⑨⑧⑦⑤
2着 マイネルキッツ ②②②①
3着 メイショウドンタク ⑥⑥③②
2011年 稍重
13.2 - 11.7 - 12.9 - 13.0 - 13.4 - 12.5 - 12.9 - 12.6 - 13.9 - 12.6 - 12.0 - 12.2 - 11.7 - 11.4 - 12.1 - 12.5(50.8 - 51.4 - 50.7 - 47.7) 3.20.6
1着 ヒルノダムール ⑥⑧⑦⑥
2着 エイシンフラッシュ ⑩⑩⑩⑧
3着 ナムラクレセント ⑩⑩①①
2012年 良
13.0 - 11.6 - 11.3 - 11.7 - 12.4 - 11.9 - 11.9 - 12.7 - 12.7 - 12.7 - 12.1 - 11.9 - 11.4 - 11.7 - 12.3 - 12.5(47.6 - 48.9 - 49.4 - 47.9) 3.13.8
1着 ビートブラック ②②①①
2着 トーセンジョーダン ⑦⑦⑦⑤
3着 ウインバリアシオン ⑫⑫⑫⑫
2013年 良
13.0 - 11.9 - 11.6 - 11.4 - 11.5 - 11.6 - 11.7 - 12.5 - 12.1 - 12.4 - 12.5 - 12.8 - 12.9 - 11.9 - 11.8 - 12.6(47.9 - 47.3 - 49.8 - 49.2) 3.14.2
1着 フェノーメノ ⑦⑦③②
2着 トーセンラー ⑨⑨⑥②
3着 レッドカドー ⑪⑪⑩④
2014年 良
12.8 - 12.0 - 12.1 - 12.4 - 12.4 - 12.1 - 11.3 - 12.5 - 12.9 - 12.9 - 12.9 - 12.3 - 11.7 - 12.0 - 11.1 - 11.7(49.3 - 48.3 - 51.0 - 46.5) 3.15.1
1着 フェノーメノ ⑧⑧⑦⑤
2着 ウインバリアシオン ⑬⑭⑭⑧
3着 ホッコーブレーヴ ⑩⑨⑩⑩
基本的には2度目の坂の下りから勝負が動き出すパターンだが、年によって多少違いがある。2012年は後続を大きく引き離して逃げていたビートブラックが坂の上りからペースを上げて、まんまとそのまま逃げ切った。2013年は逆に直線だけの瞬発力勝負となっている。
ただ、展開はどうあれ、4コーナーである程度前にいないと勝負にならないのは共通している。理想は8番手以内。例外は2012年3着のウインバリアシオンと2014年3着のホッコーブレーヴのみ。道中は後方にいても、4コーナーまでにそこにいれば、スタミナにものを言わせてそのまま粘り込むことも可能。2011年3着ナムラクレセント、2013年3着レッドカドーがその例。
長距離戦だけに騎手の判断も重要になる。積極果敢に勝負を仕掛けて好結果を引き出した例としては、2011年3着ナムラクレセント騎乗の和田竜二騎手と2012年1着ビートブラックを駆った石橋脩騎手が挙げられる。
アパパネ、ジェンティルドンナやハープスターといった名牝を輩出した過去5年の桜花賞を振り返る。
2010年 良
12.6 - 11.2 - 11.8 - 11.9 - 11.4 - 11.1 - 11.1 - 12.2(35.6 - 23.3 - 34.4) 1.33.3
1着 アパパネ ③⑤④
2着 オウケンサクラ ①①①
3着 エーシンリターンズ ④③②
2011年 良
12.1 - 11.0 - 11.5 - 12.1 - 11.8 - 11.3 - 12.0 - 12.1(34.6 - 23.9 - 35.4) 1.33.9
1着 マルセリーナ ⑬⑮⑯
2着 ホエールキャプチャ ⑭⑮⑰
3着 トレンドハンター ⑱⑰⑱
2012年 良
12.7 - 10.9 - 11.3 - 12.2 - 12.2 - 12.1 - 11.0 - 12.2(34.9 - 24.4 - 35.3) 1.34.6
1着 ジェンティルドンナ ⑨⑩⑩
2着 ヴィルシーナ ③④④
3着 アイムユアーズ ⑤⑦⑥
2013年 良
12.4 - 11.0 - 11.4 - 12.1 - 12.0 - 11.9 - 11.5 - 12.7(34.8 - 24.1 - 36.1) 1.35.0
1着 アユサン ④⑨⑩
2着 レッドオーヴァル ⑭⑮⑭
3着 プリンセスジャック ⑨⑬⑭
2014年 良
11.9 - 10.5 - 11.4 - 11.5 - 11.7 - 11.4 - 12.8 - 12.1(33.8 - 23.2 - 36.3) 1.33.3
1着 ハープスター ⑱⑱⑱
2着 レッドリヴェール ⑬⑬⑮
3着 ヌーヴォレコルト ⑪⑫⑫
桜花賞が外回りコースで施行されるようになって、実力が反映された結果になるようになったと言われるが、それでも展開によって馬券圏内に来る馬の顔触れは変わるようだ。
スローペースとなった2010年は逃げ、先行馬が馬券圏内を占めた。ハイペースとなった2013年と2014年は差し、追込馬決着となり、中盤少し緩んだペースとなった2012年は、先行馬と差し馬での決着となった。そう速いペースでもなかった2011年が追込馬の独壇場になっているが、このレースこそ実力が反映された結果なのだろう。